新生子MRL/MpJマウスにおいて 卵巣マスト細胞は卵巣一卵巣釆結合部の 方向に遊走する一局在変化が明らかにする マスト細胞の新たな役割一

摘要

マスト細胞はほぼすベての組織に存在する免疫 細胞であり，自然免疫および獲得免疫の両方にお いて重要な機能を果たす一方，即時型アレルギー などの自己免疫疾患にも関与する.加えて，マス ト細胞は血管拡張や血管新生などの生理学的機 能を果たすとともに，創傷治癒，がh，肥満およ び糖尿病の病因にも寄与する多機能な細胞であ る.マスト細胞は骨髄の造血幹細胞に由来し， 未熟な状態で血流を介して組織に移動し，移動先の微小環境に応じて粘膜型マスト細胞（MMC) および結合組織型マスト細胞（CTMC)に成熟す る.これらの亜型は，染色特異性，移動能，細 胞質顆粒のサイズ，T細胞依存性および発現蛋 白質によって区別される.マウスにおいては， MMCは移動能を有し，コンドロイチン硫酸を有 するためアルシアン青（AB)で染色され，mast cell protease-1 (Mcptl)およぴMcpt2を発現する.