生分解性マイクロカプセルへの農薬の内包状態と徐放制御

摘要

農薬は，病害虫や雑草による作物被害からの保護または作物の生育調節による農作物の高品質化および生産性向上と農作業の省力化および能率化のために重要な農業資材であり，不可欠なものとなっている． 通常，農薬は最大限の効力を発揮し，最適な使用方法と使用濃度により使用するために，農薬原体とよばれる有効成分を適当な希釈剤で希釈し，散布しやすい形に加工した農薬製剤として用いられる． しかし，散布後の環境により分解や蒸発，雨水による流失や地中浸透により有効成分の濃度を最適な濃度範囲に維持できずに効力を発揮できない場合がある． このことから高濃度散布や頻繁に散布を繰り返すことになり環境中へ大量の農薬が放出され，人体，農作物および生態系への影響が懸念きれている．そこで現在，安全性の向上，効力向上，省力化および軽作業化を重視した新しい製剤や施用法の開発が進hでいる.