既習事項を活用し多様な方法で解決する「相似な図形」に関する授業実践 -「三角形に内接する正方形をかく」教材を用いて-

摘要

本研究の目的は,既習事項を活用し,多様な解法で問題解決できる能力の育成のために,「三角形に内接する正方形をかく」教材の改善を行い,改善した教材を用いた実践にょる効果を明らかにすることである.このために,内接させるΔABCの底辺BCと高さAHに具体的な数値を与えて生徒に提示し,「既習事項の活用」と「多様な解法での解決とその比較検討」が実現できるょうに,授業設計をして実践した.この結果,平行線と線分の比の性質及び三角形の相似を用いて正方形の頂点の位置を求める解法を引き出すことができた.また,この解法と比較させることで,相似の中心を用いた解法で簡単に解決できる驚きを感じさせることができた.これらから,この教材は,「相似な図形」における「既習事項の活用」と「多様な解法での解決とその比較検討」が実現できる教材になり得ることがわかった.