心筋のE-Cカップリング:心筋カルシウムシグナル異常の統合的システムバイオロジー（S10)

摘要

心筋細胞においてCa~(2+)シグナルは,細胞膜や細胞内小器官の微細形態を基盤としたCa~(2+)シグナル制御分子の局在と分子間協同作用により精緻に制御されており,その制御の破綻は興奮伝導の異常や収縮不全をもたらす.心筋における細胞内Ca~(2+)シグナル制御とその破綻のメカニズムを理解するためには,個々の分子の機能と局在を統合したシステム的理解が必要である.本シンポジウムは,不整脈および心不全の基礎としての心筋Ca~(2+)シグナル異常について,Ca~(2+)チヤネルを含むC~(2+)シグナル制御分子複合体から単一心筋細胞レベル,さらに多細胞レベルでの研究と,これらを統合したシステムバイオロジー構築の現状を紹介することを狙って企画した.