シリーズを終えるにあたって

摘要

日本各地の地すべり地では地表地中の変形や変位，地下水の賦存状況等を対象に，様々な機器を用いた観測が実施されている。しかし，常日頃から実施している観測，計測の方法は，いつ頃から，誰によって考えられたのか，それらが日本で考案された技術なのか，もしくは海外から伝わった技術なのかを理解している現場技術者は少ないものと思われる。また，それら観測機器は如何にして開発され，進化してきたか等についても同様と考えられる。その様な視点から編集委員会では地すべり地の観測で現在使用されている汎用性の高い観測機器について，そのルーッや開発の歴史経緯，現状等を広く会員に紹介する事を目的とし，「地すべり観測機器の歴史と現状」と題したシリーズを企画した。