中学生の咬合状態と健康観および運動能力の関連性について

摘要

咬合状態と健康観および運動能力の関連性を明らかにする目的として,総校合力と健康観,運動能力との関係について調査を行った.調査対象は埼玉県下の中学2年生187名(男子98名,女子89名)であった.総咬合力にはデンタルプレスケールを用い,この結果から平均+1SD以上群と平均-1SD以下群に分類して健康観と運動能力について比較検討を行った.その結果,健康観は,平均+1SD以上群では男子79.2ポイント,女子82.5ポイントを示し,平均-1SD以下群では男子66.2ポイント,女子68.6ポイントであり,平均+1SD以上群のほうが健康観の高いものが多かった(p<0.05).運動能力テストは,男子50m走および男子立ち幅跳びにおいて成績が優れており(p<0.05),その他全てのトラック競技,フィールド競技においても平均+1SD以上群は,平均-1SD以下群と比較して良好な結果であった.咬合状態が良好なものほ健康観が高く,運動能力も高い傾向にあることが示され,歯科保健と健康観,連動能力の関連性が示唆された.