H. pylori未感染早期胃癌の内視鏡診断と治療

摘要

H. pylori未感染早期胃癌は.①純系印環細胞癌を中心とする未分化型腺癌.②胃底腺型胃癌.③腺窩上皮型胃 癌.④食道胃接合部癌（Barrett食道腺癌を除く Siewelt II型)，に分類できる。純系印環細胞癌は褪色調の小 さいIlb-nc病変で白色光内視鏡診断が重要である。大半が粘膜内癌で.内視鏡的粘膜下層剥離術（ESD)の 適応となる。胃底腺型胃癌は.典型例では黄色調のSMT様隆起で拡張伸展した血管が隆起を乗り上げるよう に走行する。ぺプシノゲンIとMUC6陽性の低異型度腫瘍だがしばしばSM浅層に達する。脈管侵！!はほとh ど経験されず.ESDによる局所治療の適応となる。胃底腺領域にみられる絨毛状?乳頭状表面を呈する側方発 育型腫瘍様病変で.病理学的に腺窩上皮類似形態の腫瘍が存在する。筆者らは「腺窩上皮型胃癌」と呼称して いるが.さらなる検討を要する。Barrett食道腺癌を除く Siewelt II型の癌のほとhどは進行癌で発見され.初 期病変の診断が大きな臨床課題である。