28.肺腺癌に対しペンブロリズマブ投与後24時間以内に心停止し，心肺蘇生した1例

摘要

61歳男性.右下葉肺腺癌，多発肝骨転移，両副腎転移，PD-L170%の診断にて化学療法の方針となり，1st Lineペンブロリズマブ200mgをX日午前11時に投与された.投与7時間後に40.0°Cの発熱が出現し，翌朝の午前6時に36.3°Cまで解熱した.さらに同じX+1日の午前10時に病棟でうめき声をあげながら倒れたところを発見された.波形はVFであり2回除細動された後，自己心肺再開を得た.緊急冠動脈造影検査では有意な冠動脈狭窄を認めず，左室造影でタコツボ心筋症様の所見であった.その他の原因検索の結果，心肺停止に至るような明らかな原因疾患は見当たらなかった.肺腺癌に対しペンブロリズマブを投与後，翌朝に心肺停止に陥った症例を経験し，同薬剤の有害事象の可能性が極めて高い1例であったため，報告する.