五行説と古典(3)

摘要

本書は隋の蕭吉の選。彼の生年は不明だが多分、梁の武帝(五三0年代)の時生まれ、梁が亡び、転々としたが隋の煬帝(六0五-六一六、二代目皇帝、のち反乱に会い殺される)に仕え、八十歳前後(恐らく五三0-六一0年頃)で世を去つている。この書は、先秦から隋までの五行説を集めて分類、整理したものであるが『隋書』経籍志にはその名がなく、『旧唐書』経籍志に初めて「五行記八卷、蕭吉撰」とあり、『新唐書』『宋史』にもでてくる。彼の祖父は斉の皇帝、蕭正成の一族であるが、彼の父の名は史書では判つきりとしていない。