平成23年度厚生労働科学研究（食品の安心，安全確保推進研究)食品中の放射性物質に関ずる硏究

摘要

平成23年3月の東京電力福島第一原子力発電 所事故により，発電所周辺環境のみならず，近接 する地域で生産された野菜，肉類等といった食品 からも放射性物質が検出される事態となった。飲 食に起因する危害の発生を防止し，国民の健康の 保護を図ることを目的とする食品衛生法の観点か ら，原子力安全委員会により示された指標値を食 品衛生法上の暫定規制値として，食品衛生法第6 条第2号に当たるものとして、の措置が採られ，関 係自治体が検査計画を策定して検査を実施するこ ととなつた。暫定規制値を超える食品の地域的な 広がりを把握する観点から，検査試料は主として 農場からサンプリングされ，食品衛生法の暫定規 制値を超過する事例が地域的に認められた場合に は，原子力災害対策特別措置法に基づき,出荷制 限等が行われ，暫定規制値を超える食品が流通しないように対応が図られた。