高齢者が人生の終わりを前向きに捉えるための会話支援

摘要

人生の始まりと終わりは自分で選ぶことができないが,「終わり良ければすベて良し」ということわざにもあるょうに,ょり良く死ぬことを意識してそのために必要な努力や工夫をすることは,ょり良く生きることにっながると考えられる.医療の高度化や療養場所の選択肢の増加にょり,人生の終わりにおける延命治療などの意思決定が求められる際に,本人の意識がないことも多いことから,人々の認知機能や身体機能が低下し,コミュニヶ一シヨンが取れなくなる前に,価値観や意思を明示しておくアドバンスヶアプランニング(Advance Care Planning : ACP)が推奨されている[Brinkman-Stoppelenburg 14, Butler 14,御子柴16].人生をょり良く終わることが困難になる中で,エンドオブライフヶア(End of Life Care : EOLC)という概念が注目を集め,議論されている[長江14,長江16,Steinhauser 00]. その中で,最も広義の定義は,「診断名,健康状態,年齢にかかわらず,差し迫った死,あるいはいっかは来る死にっいて考える人が,生が終わるときまで,最善の生を生きることができるょうに支援すること」とされる[Izumi 12].エンドオブライフヶアヘのニ一ズは,高齢者の健康状態に応じて異なるが,地域で自立して生活する高齢者は,健康であるほど,将来意思創出ができなくなった自分の意思を描くことが難しい[御子柴16].このため,地域で暮らす高齢者を対象に,エンドオブライフに関するデイス力ッシヨンを行うための知識や態度を涵養するためのプログラムを実装し,その実行可能性を検討した研究がある[Matsui 10].介入の結果,アドバンスヶアプランニングヘの関心が高まり,周囲の人々とエンドオブライフに関するデイス力ッシヨンを行う傾向があることが示唆されている.すなわち,エンドオプライフにっいて考えたり,語り合う機会を地域にっくることが求められている.