フラッシュクロマトグラフィーとHPLCの組み合わせによる桑実の中のアンシアニンとプロアントシアニジン重合体の分取技法

摘要

植物由来のアントシアニン類は抗酸化作用を中心に近年多くの生理活性が注目され，多くの研究で種々の成果が認められ，アントシアニンの種類による抗酸化作用の強弱も明らかになってきている．そのような研究実験の中で，活性の有無を判定すろために，各々のアントシアニン類を混合物ではなく，単一成分として分取することが必要になつてきた．アントシアニン類の分析法の優れた報告書がいくつかあるが分取法の優れたものも開発してゆく必要がある．植物由来のアントシアニン類は何十種類も存在し，しかも混在している．その中から，アントシアニンとプロアントシアニジン重合体を分取し，その後，逆相クロマトグラフィーのリニアグラジュント溶離法で分取するという効率的な技法を試みた．効率的な分取技法の開発は各種の生理活性測定に貢献するもので，価値ある事と考えた．アントシアニンとプロアントシアニジン重合体を比較的多く含む桑の実を材料として，上述の成分を精度良く，迅速に分取できる方法を検討したので報告する．