ショウガを利用した嚥下機能改善剤の研究開発^gii^

摘要

筆者の所属する大学病院薬剤部は、 医薬品の管理、運用はもとより、基礎-臨床研究を行う場である。近年では、 研究テーマとして、標記の様な機能 性食品開発をも取り組hでいる。その背景因子の一つとして、国の施策としての医療費抑制策力5'挙げられる。超高齢化社会の到来により、国 民医療費は膨大な額に膨れ上がること が予測され、国民皆保険、社会保障 制度の存続に関わる諸問題が突きつ けられている。その対策として、医療 費制度改革、後発医薬品の導入等が 求められ、我々も喫緊の課題として取り組hでいる。さらに、セルフメテVケーシヨンの推進や健康食品制度改革によ る予防効果の推進も対策として掲げら れ、特に、健康食品制度改革では、 規制緩和による機能性表示食品制度 が推進されている。国民の健康保持 に関わる機能性表示食品制度におい ては、機能性表示の科学的根拠、安 全性の確保、適正な表示による消費 者への情報提供等、ェビデンスの精 度向上が求められている。ェビデンス の精度向上において、我々は、医学-薬学の場におけるリバース.卜ランスレーショナル、リサーチ（rTR)の概念を適 用した。rTRは、臨床上、人での疾 患解析等に基づし1た新規開発ターゲッ トを求め、基礎の場においてメカニズ ム作動原理に基づく製剤開発を行い、 さらに成果物についてヒトでの効果-動態の検証を行うという、一連のサイ クルを目指す。機能性表示等におけ るェビデンスの構築も、ただ単に付カロ 価値の追求のみではなぐまさにrTR を志向し、医薬品の開発ステップに準拠したデー夕の必要性が求められて来 ると考えている。