これからの森林技術者教育と学会の役割

摘要

4月3日，東京農業大学で開かれた日本森林学会大会において，標記テーマのワークショップが開催された。 一般の研究発表セッションと同時並行的に開催された催しだが，80名あまりの参加を得て盛会だった。 このワークショップで何力惰られたのか，今後の森林学教育はどこへ向かうのか，当日の討論から考えたいと思う。 　 ワークショップではまず，技術者教育検討ワーキンググループが行ったアンケート結果について，主査の柾谷智彦氏（新潟大学）から報告があった。アンケートは全国の森林系学科コースに配布されたが，そのうち12大学14学科から回答があった。 学習の基本的な目標に関する質問項目では基礎知識や専門知識とともに地域の特性を生かした教育が多いのが特徴的だった。教育内容としては，演習林や地域に出て行う実習に特徴があり，地域学としての森林学のあり方を示している。他コースとの連携による分野横断的な教育を挙げる大学も多く，教員定員の減少に苦慮する姿とともに，幅広いレンジの教育内容をカバーする工夫が見られる。