どこへ向かう日本の食生活-食育基本法の船出-(1): 日本の食生活を構造的に分析する

摘要

2005年6月10日、「食青に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来にわたる健康で文化的な国民の生活と豊かで活力ある社会の実現に寄与することを目的」とする　 「食育基本法」が国会で成立した。 これまでも食の重要性については、2000年に農林水産省、厚生労働省、文部科学省が「食生活指針」を策定し、食生活改善の啓発をおこなってきたし、2002年には農林水産省が「食と農の再生プラン」　 における「食の安全運動国民会議」　 の発足のなかで、「食育」　 の推進が謳われてはいたが、両者のいずれも国民の認知度は低く、国民への影響がそれほど高いとはいいがたい状況であった。