シャクャクの原種と分布および文献と絵画から見た品種発達の歴史〔1〕

摘要

1.シャクャクの原種の分類と位置づけ草本であるシャクャクは，ボタン科のAwow'a属 (1属）に属し，これはPaeon節とOnaepia節の2 節に分かれる（Stern 1946).ただし2節ではなく 2 亜属とする考えもある.また宿根草のシャクャクは 冬芽が地下部にでき，冬芽が地上部の枝に残る落葉 低木のボタン（Moutan節）と異なる.また，Paeonia 属の3節間では通常互いに交雑は困難であるが，育 種家の努力により，シャクャク（とくにPaeon節の P. lactiflora)と雑種ボタン（Moutan節のP/irfeaxp suffruticosa)を交雑させる試みも成功している.シャ クャクの原種は種.亜種含むと約40種があり，ボ タンの約10種より多く，分布も東アジアゃシベリ ァからロシアを経てョ一口ツバまで幅広く分布す る（ボタンはほぼ中国にのみ分布）.ただしOnaepia 節のシャクャク2種は北米の西部乾燥地だけに分布 する.