反芻動物における血槳中Apelin濃度の変動と内分逾調節

摘要

反芻動物の主要なエネルギー源は、揮発性脂肪酸（VFA)である。ルーメン内に微生物を共 生させることで、自身では消化出来ないセル ロースやへミセルロースを分解させ、生成される VFAを吸収する。また、反芻動物の採食時には 多量の唾液が分泌されることが知られている。ルーメン内微生物における最適pHは6.4-7.0 程度であり、pHが6.0を下回る酸性に傾いた とき、その働きは著しく低下する。このことから、 ルーメンが十分に発育した反芻動物において、 NaHCO_3を主成分とする唾液の分泌は、ルーメ ン内の酸性化を緩衝させる重要な役割を持つ。 このとき、採食によって増加した唾液分泌は、 採食中にも関わらず急激に減少する。これは、 多量の唾液が分泌されたとき、血液中の水分が 唾液として放出され、血液浸透圧が上昇するこ とで、唾液の分泌を抑制するためと考えられて いるつまり、体液の恒常性あるいは穌行動の調節は、採食量へ大きな影響を与えるため、 家畜の発育において非常に重要である。