官能評価と理化学検査数値から見る 「かごしま黒豚」の肉質特性

摘要

「かごしま黒豚」は約400年前、江戸時代に 琉球を介して中国大陸から鹿児島に伝わった "小さな黒い豚"に、明治25年にイギリスバーク シャ一種を導入し、品種改良することで誕生し た。昭和20年代、火山灰土壌であるシラス台 地と相性の良い甘藷を給与された「かごしま 黒豚」は、生きたまま貨物列車で東京に運ば れ、消費者が認めた日本初の豚肉ブランドとな る。ブランド強化のため、現在に至るまで、第1 系統豚「サツマ」（昭和58年認定）、第2系統豚 「ニューサツマ」（平成3年認定）、第3系統豚 「サツマ2001」（平成13年認定）、第4系統豚「クロサツマ2015」（平成27年認定）が造成さ れている。銘柄豚肉ハンドブッグ18によると、全 国に400以上の銘柄豚があり、品種、飼料、飼 育環境、地域性などでそれぞれ特色を出し、差 別化を図っている。鹿児島県では、甘藷を10-20%含む飼料によって肥育後期60日以上肥育 したバ一クシャ一種を「かごしま黒豚」として銘 柄化している。