新設三菱S炉と既設反射炉-転炉プロセス結合による新しい銅製錬·リサイクル技術（O－SRプロセス）の確立

摘要

小名浜製錬株式会社小名浜製錬所は，1963年12月創立の国内初の銅共同製錬所である。1965年に操業を開始，1973年には反射炉2基，転炉5基に増強された。熔錬工程に燃料多消費型の反射炉を採用していることから安価な反射炉燃料への転換と使用量削減が製錬所における最大のテーマである。1980年代より，反射炉バーナーの燃料を重油から微粉炭に切り替えるとともに，廃タイヤの処理を開始した。更に1990年代に入ると，代替燃料としてシュレッダーダスト（以下，SD）の処理を開始，銅鉱石処理を反射炉から転炉へシフトすることで反射炉の微粉炭使用量を減少しSD増処理を行ってきた。その後も，自動車リサイクル法の施行によりSD処理の重要度は増し，SD処理量は12，000T/月にまで増強された。これにより反射炉は燃料多消費型熔錬プロセス　から大量の廃棄物燃焼炉に変貌を遂げ，SDからのサーマル/マテリアルリサイクルシステムが確立された。