新興技術としてのセルロースナノファイバー 強化樹脂製造プロセスの設計と評価

摘要

植物原料等に含まれるセルロースの集合体を化学処理、 機械解繊などによって微細化することで得られるセルロ ースナノファイバー（CNF）は、高強度、軽量などの特 性を持ち、バイオマス由来であることから低炭素化や脱 化石資源への貢献が期待されている。様々な製法が提案 されており、開発途上の新興技術（Emerging Technology） のひとつである。新興技術の評価方法は未確立であり、 ライフサイクル評価（LCA）等の応用が試みられている が、データ不足や将来的な技術開発の不確実性、スケー ルアップの考慮など、多くの課題がある1)。 本研究では、CNF 強化樹脂の製法のひとつである、ア セチル化パルプの樹脂との混練による製造プロセスを対 象とし、新興技術としての特性を考慮したモデリングや シミュレーションに基づく設計と評価を実施した。