2018年度の大企業設備投資は大きく増加～製造業では自動車のモデルチェンジ対応投資や自動車向けの能力増強投資が牽引

摘要

日本政策投資銀行が大企業（資本金10億円以上）を対象に実施した設備投資計画調査によると、2018年度の国内設備投資は、製造業、非製造業ともに増加し、全産業で前年比21.6% 増と大幅に増加する計画である。表1の2016、17年度で計画と実績を比較しても分かるように、実績では相応に下方修正となる傾向があるものの、かなり強気の計画といえる。本調査のなかでは、向こう1～2年先のマクロ経済情勢や世界の政治情勢等先行きのリスクについても調査している。製造業全体では、原油等の資源価格や為替動向をリスク要因と認識する企業が相対的に多い一方、米国の保護主義政策などをリスク要因として懸念する企業は必ずしも多くはない。輸送用機械では、米国の保護主義政策などに対する懸念がやや高いが、エコノミストの間でも、米国の保護主義政策が世界的な景気後退をもたらすとの見方は少数派である。本調査の傾向として、実績での下振れが見込まれ、米国発の保護主義政策が世界経済に与える影響によっては、下方修正が大きくなる可能性もあるが、2018年度の国内設備投資は高い伸びが期待できそうだ。