食を語るわたしと私の食生活: 貴松史尾さん

摘要

風光明媚な山と海に囲まれた国際都市、神戸に生まれ、西宮で多感な学生時代を過ごした松尾貴史さん。 子どもの頃から好き嫌いはなかったそうですが、神戸という土地柄もあってか、食卓に供せられるのは一般的にイメージされる関西料理よりも洋食が多かったようです。 「もっとも、ウチ自体が純日本的な家庭生活を営んでいる家という雰囲気ではなかったので、そのせいもあるかもしれません。先日もNHKの番組で『おふくろの味の代表格とも言える豚汁ですが、松尾さんのお宅ではどんな具材が入っていて、どんな味付けでしたか』みたいなことを聞かれたのですが、まったく覚えていないんですよ。 思い返してみると、ウチの母親は豚汁をおそらく作ったことがないと思います。 むしろハンバーグとかカレーといったものが多くて、あとは突然思いついたようにしゃぶしゃぶやすきやきになるので、エンゲル係数はかなり高かったと思います。