ビフィズス菌Bifidobacterium longnum BB536による免疫調節作用

摘要

近年，工業国を中心にアレルギー患者が急増している。 この原因として，「衛生仮説」や「腸内細菌叢仮説」等が提唱され注目されている。 こうした観点から，プロパイオテイクスの投与によるアレルギーの予防及び治療への効果が期待されている。我々は2004，2005年春のスギ花粉飛散シーズンに，プロパイオテイクスである旦地軸B8536の摂取こよる花粉症改善作用について検討したところ，両年において症状の緩和作用や血中マーカーの改善が認められた。 動物実験や臨床試験を通じて，「菌体成分による直接的な刺激」と「整腸作用を介した間接的な効果」の2点が作用機序として推測された。 一方，65歳以上の老人を対象にした試験では，BB536摂取により免疫力が高められ，インフルエンザを含む感染症に対する防御作用がみられた。