グレープシードオイルを用いた「ものづくり都市·京都」の再興と「美の町·京都」の創世

摘要

京都は，その歴史と文化から「観光都市」としてのイ メージが強く，第三次産業が目立ちがちであるが，古く は西陣織や京友禅などの「伝統産業」，近年では電子部品 や制御機器などの「先端産業」で高い技術力を誇る「も のづくり都市」である1）。2014年版「京都市の経済」2） によると，京都市の市内総生産における製造業の割合は 18．6％であり，製造業の構成比を他の政令市と比較する と，川崎市，北九州市に次いで3位に位置している（表1）。一方，近年の市内総生産は6兆円前後で推移し，京 都市の事業所数及び従業員数は減少傾向にあり，産業の 伸び悩みが課題となっている（表2，3）。特に市内製造 業の事業所数の減少は全国的にも高いこと，市内の新規 開業率が他の産業と比較して低いことから，伸び悩みの 要因は製造業の低迷に起因するものと考えられ，次代の「ものづくり」を支える産業が育っていないともいえる（表4～6）。