発酵法による3－Mercapto－1－propanolからのフドステインの生産－培養条件の検討－

摘要

先に、我々は大腸菌のCystathionine β－lyase（MetC）欠損変異株がL-シスタチオニンを蓄積することを報告した。そこで、我々は、硫黄源として種々の硫黄化合物を培地に添加して培養を行い、それらのL－シスタチオニンの蓄積に対する影響を調べた。その研究の途上で、発酵途中に2-Mercaptoethanolを添加するとL－システインとL－ホモシステイン2－ヒドロキシエチル誘導体を蓄積すること、さらに2－Mercaptoethanolに代えて種々のチオール化合物を添加すると、添加したチオール化合物に対応して、それぞれのL－システインとL－ホモシステイン誘導体を蓄積する可能性を見出した。そして、チオールとして3－メルカプト－1－プロパノールを添加した場合に期待通り二種類の新規化合物が蓄積し、その一つがシステインの3－ヒドロキシプロピル誘導体（フドステイン）である可能性を報告した。