中国の病理学事情 日本のシステムとの比較

摘要

中国の病理学は20世紀1920年代に，胡正詳（コセイショウ）らが欧米で勉強した病理学の知識を導入したのがきっかけとなって，国内の大学で病理学を教えると同時に病理解剖や生検をはじめた．中華人民共和国が成立してからは大学や病院の数が大幅に増え，病理学はその教育や研究および臨床においてより大きな成果を上げてきたが，当時の病理学は大学や大都市の病院に限られていた．1978年に改革開放政策が実施されてからはその影響は急速に拡大し，1990年代は大学だけではなく地方の都市や県立病院でも病理科が新設され，現在ではその数が全国で2，500施設を超えるともいわれている．