低侵襲ロボット手術

摘要

2009年11月，わが国において，手術支援口ボットda Vinci~Rに対する医療機器としての製造販売の承認が得られた。da Vinci~Rを用いての世界初の胆嚢摘出術はすでに1997年Cadiere らにより施行され1)，わが国においても，da Vinci~R の治験が九州大学と慶応大学において行われ2002年に終了した2)。しかし，da Vinci~Rはその後北米を中心として普及する一方，わが国では医療機器としての認可までに約7年の歳月を要することとなった。したがって，わが国では低侵襲ロボット手術の本格的導入はその端緒についたばかりの状況である。また，全世界的な潮流として，NOTESTM3)やSingle Incision Endoscopic Surgery4)など低侵襲手術が多様化し， その方向性も今後大きく変化する可能性もある。ここではda Vinci~Rを中心とした低侵襲口ボット手術の現状と展望につき解説する。