ラナンキュラスの挿し芽による増殖法

摘要

ラナンキI一フス(Ranunculus asiatics E.)は塊根を形成するキンポゥゲ科の球根花きである。これまで主に鉢物として利用されてきたが、近年は切り花としての需要も急増している。ラナンキュラスの栽培には実生苗、もしくは塊根を用いるが、切り花促成栽培には冷蔵処理による促成栽培が可能である塊根が主に用いられる。塊根は一般にメリク口ン苗から養成されるが、増殖率が低いため十分量の塊根量を確保するには2年以上の養成期間と費用が必要である。その結果、塊根単価は高く、営利栽培では塊根費用が生産費の13を占める。そのため、生産現場では種苗費軽減のため1年切り花栽培した後に形成される塊根(切り下球)が利用されているが、ウィルス感染が心配される。以上のことから、安価で安全な塊根の安定的供給はラナンキュラス切り花生産の安定を図る上で重要な課題である。この課題を解決するための増殖法として、筆者らは従来よりも高い増殖率が期待できる揷し芽からの塊根増殖技術を開発した。