『トウガラシの「辛味」づけは自虐的!?～東南アジア、マレーシア、サバ州事情～』

摘要

20世紀末頃から興り始めた「マイ七味」現象。 自分専用の七味唐辛子（さらなる強者は一味唐辛子）をどこにでも持ち歩き、エスニック料理のみならず和洋中あらゆる料理に七味唐辛子をふりかける。 一時のブームは過ぎたものの、なお自分好みの七味唐辛子を持ち歩く辛味愛好家は健在のようだ（注1）。 「マイ七味」現象以前は、そば、うどh、パスタ、ピザなど一部のお決まりの料理にお決まりのように無自覚的に七味唐辛子やタバスコなどの辛味添加物をふりかけるといった受動的な辛味づけをしている辛味愛好家が多かったように思われる。しかしながら、「マイ七味」現象の興隆によって、あらゆる料理について自分の好みに合う自発的かつ創造的なトウガラシによる辛味づけの可能性が広がってきているのではなかろうか。