腹腔鏡下手術中に広範囲皮下気腫を生じた上行結腸癌の1例

摘要

腹腔鏡下結腸切除術の術中に広範囲皮下気腫を生じたため，開腹手術に移行した1例を経験した。症例は76歳，女性。 腹腔鏡下右半結腸切除術中に広範囲の皮下気腫を起こし.PaC02 64.3mmHgまで上昇したため気腹操作を中止し，以後の手 術操作を開腹にて行った。術後経過は順調で，術後第16病日に軽快退院となった。いったh広範囲の皮下気腫が起きると， 気腹操作を中止せざるを得ない場合もある。標準的な気腹圧であっても患者因子によっては皮下気腫を生じる危険があり，握 雪感などの理学所見，ETC02の継続的なモニタリング，不整脈などの異常の早期発見に努め対処することが重要であると考 えられた。