リンパ腫 WHO分類の変更による治療戦略の変化と分子標的薬治療の現況と問題点

摘要

リンパ腫のトピックスとしては造血器腫瘍国際分類のWHO分類の改訂nであり，治療戦略が変更になるような改訂がされたことと，B細胞リンパ腫の治療に必須の薬剤になっている分子標的薬としての抗体治療薬であるリツキシマブの臨床成績に関する新たな知見である。また日本の研究グループからNF-kBシグナル伝達経路の負の調節因子であるA20蛋白がB細胞リンパ腫の患者ではしばしば不活化され，A20遺伝子の欠損が一部のB 細胞リンパ腫の腫瘍発生に関与していると報告されたことや2'3),治療に関しては日本臨床腫瘍研究グループによる節外性NK細胞リンパ腫，鼻型（ENKL)の限局期治療法の確立4)やNKリンパ腫研究グループからの進行期および再発ENKLへの新規治療（SMILE療法）の多国間共同臨床研究の実施3などがあげられるが，紙面の開係でここでは触れない。