酸化ストレスと腎臓病

摘要

生体内ではエネルギー源としてさまざまな代謝経路によりアデノシン三リン酸(adenosine triphosphate ：ATP)が生成されるが，最終的に酸素 との反応が必要となる.この酸素を利用する過程 において副産物として種々の活性酵素(reactive oxygen species ： ROS)が生じる.ROSは本来， エネルギー産生，侵入異物への攻撃，不要な細胞 の処理や情報伝達に際して産生され，生命維持に 不可欠なものである.一方，過剰なROSは細胞障 害に働くことがわかっており，細胞にはROSを 消去する抗酸化システムが備わっている.