アクロス福岡－都市に立体的な緑地を創出し熱環境を改善

摘要

アクロス福岡（設計：日本設計／竹中工務店，施工：竹中工務店他JV）は福岡市天神の福岡県庁跡地に1995年3月に竣工した，音楽専用ホール，国際会議場，事務所，店舗などの機能を有する都市型複合施設である．地上14階，地下4階，高さ60mの建物で，南面が階段状の屋上庭園となっており，屋上庭園はその形状からステップガーデンと呼ばれている（図1)．13層からなるステップガーデンは，間口が120m～98m（階によって異なる），奥行きが6mで，76種類37，000本の樹木が植えられている．事業コンペが始まった1989年には，跡地の南側半分は既に天神中央公園となって長く市民に親しまれていたため，その公園と連続的に一体化したオープンスペースの創出を意図して，10万m{sup}2 近い建物のボリュームの約40％を地下空間とするとともに，地上部の南側壁面部分は階段状にセットバックさせた屋上庭園が計画された．