X線CT画像における胸郭下口の自動抽出と横隔膜の自動推定への応用

摘要

本研究では，人体の臓器や組織の抽出に重要な胸部と腹部の境界面である横隔膜を自動推定する方法を提案する．横隔膜は，周囲の複数の臓器や組織とCT値が近いため，濃淡しきい値処理や連結性などの特徴量のみで抽出するのは困難である．そこで，骨格の位置情報から体腔と胸郭下口を自動抽出し，肺野に接した部分の横隔膜と体腔の輪郭を合成することで横隔膜の推定精度を高める手段を検討する．医師の指示のもと作成した54症例の正解画像と比較し，従来法より横隔膜の推定精度が向上したことを示す．