ディジタル周波数シンセサイザの設計 第2回 DDS ICの応用といろいろ

摘要

8月20日に発売される本誌増刊「すぐ使えるディジタル周波数シンセサイザ基板［DDS搭載］」の付属基板（DDS付属基板）に搭載されているDDS（Direct Digital Synthesizer）は，非常に広範囲な周波数帯域で，正弦波信号を簡単かつ精度よく生成することができます．また，その周波数分解能が非常に高いこと，周波数の切り替えが一瞬で実現できることなども特徴と言えるでしょう．「正弦波を出す」には，まずアナログ方式による発振回路が考えられますが，この場合は発振させること自体が難しく，また広い帯域にわたって周波数を変えることも同様に難しく，さらに周波数安定度を高く維持することなど神業に近いことです（図1-1）．DDSはこのようなアナログ発振回路で起こるような問題がなく，「非常に簡単」に信号を発生させることができます．本稿では，このDDSの特徴を活かした用途を紹介します．