過渡領域のノートン等価回路を用いたLSI線形マクロモデルの等価電流源の位置の検討

摘要

著者らは，LSIの電源系高周波電流のシミュレーションを行うためのモデルとして，線形等価回路と内部等価電流源で表されるLECCSモデルと呼ばれるEMCマクロモデルを開発している．本報告では，過渡領域におけるノートン等価回路を用いて，LSIチップの内部動作を表すスイッチ回路モデルから線形マクロモデルの等価電流源を求める方法について説明した．さらに，線形マクロモデル（LECCS）がスイッチ回路モデルと等価になる条件について検討した．その結果，その条件は，スイッチング毎の等価電流源の重なりが十分に小さいことであることが分かった．また，その条件からLECCSモデルにおける適切な等価電流源の位置について検討した．その結果，等価電流源を外部端子の位置に配置すると，等価電流源の重なりが大きくなり，LECCSモデルはスイッチ回路モデルと一致しなくなることが分かった．よって，LECCSモデルの等価電流源は，等価電流源の重なりが小さくなるように十分に内部の位置に配置する必要がある．