低電圧ESDによって発生する放射電磁波の強度特性に関する一考察

摘要

おおよそ1000V以下の比較的に低い電圧によって生じる静電気放電ESDなどのマイクロギャップ放電に着目し，放電に伴って外部へ放射する電磁界強度特性について測定を行った．その結果，約800V以下における放電の放射電磁波強度は、放電電圧に反比例して低い放電電圧になるほど上昇する傾向を確認した。またこれらの放射電磁波強度ならびに放電電圧は、比較的に長いギャップ間隔による放電でバラつきが大きく、短いギャップでの放電になるに従いバラつきが小さくなる傾向を確認した。さらに、バラつきの主要因として放電電極部の表面状態が大きく関係していることを確認した。また、TEMハーフホーンアンテナを用いて、マイクロギャップ放電に伴う過渡電磁界変動を、12GHz程度の広帯域にて測定できる可能性を確認した。