1kV以下の球電極ESDに伴う放射電磁波の強度特性に関する実験的考察

摘要

放電電極の接近スピードが放射電磁波の振幅に与える影響について実験的に検討を行った.その結果,接近速度の上昇に伴い,電磁波放射に伴う受信電圧の振幅が上昇する傾向を確認した.また速度の上昇に伴つて受信電圧の振幅バラつきが増加する傾向が見られた.さらにこれらの特性は対数的な特性を示し,速度がある程度の値になると,一定値に漸近するものと考えられる.また、電磁波振幅の分布は接近速度が遅い時には平均値付近に密集した形の分布となり,接近速度が速くなるにつれて振幅のバラつきは正規分布に近づく傾向が分かった.ゆえに,電極の接近速度は球電極放電に伴う電磁波の放射特性に影響を与えることを示唆する結論が得られた.謝辞本研究は平成26年度科学研究費助成事業•基盤研究(B)(課題番号:26289078)の助成によるものであり,この場を借りて感謝の意を表す.