食品への膜技術の利用状況

摘要

加熱しないで濃縮や成分の分離ができる膜技術の食品への利用は，食品ゆえに有する課題はあるものの着実に進んでいる．とくに，乳関係および醤油，日本酒，食酢などの醸造関係では，プロセス技術の一つとして定着している．膜技術が熟エネルギーが小さくてすむことと，大量処理にも向いているためである．食品は味，香り，色の変化が少ない加工法が重要である．特に，香りは加熱や蒸発法では菜われやすい．色素も熱安定性があるものばかりではない．たとえば，アントシアン系の鮮やかな色調は加熱で失われる、膜技術であれば，熱不安定な色素に対しても鮮やかな色調を維持できる．