産業用知能ロボットによるロボットセル--機械加工および機械部品組立

摘要

産業用ロボットは、今から45年前の1961年に米国において商品としての第1号機が登場して以来、主に、自動車ボディの溶接や3K（危険、きたない、きつい）職場において、人に代わって人がやりたがらない仕事を受け持ってきた。わが国は現在、この産業用ロボットの稼動台数で世界一であり、全世界で約90万台稼動している産業用ロボットの39％である約35万台がわが国で稼動している。最近は、いわゆるロボットブームと言われるように、工場で働く産業用ロボットの他に、工場を出て人間社会で活躍することが期待されているサービスロボット、医療·介護ロボットなどが注目を集めているが、産業用ロボットも「教えたとおりの動作を繰り返す」という旧来のイメージから、最新の技術革新に基づく知能化により「産業用知能ロボット」として生まれ変わり、製造業の国際競争力向上のために大きな役割を担いつつある（以下、産業用知能ロボットを単に知能ロボットと呼ぶ）。