冷凍空調が地球を救う（前）－機器の高效率化とCO{sub}2削減：サイクル·制御による高效率化とCO{sub}2削減への貢献

摘要

ここでは蒸気圧縮式冷凍サイクル·制御の改良による高効率化技術の最近の動向と今後の展開について述べる．我々冷凍と空調を取り巻く社会環境は多々あるけれども，そのうち特に重要なポイントは，海外と国内およびソリューションビジネスおよびIT化を考慮した省エネルギー技術開発である（図1）．この3つの視点を常に視野に入れながら表題のサイクル·制御による高効率化技術の最近の動向についてまず述べる．ここでいうサイクル·制御の改良による高効率化技術の最近の動向とは単純な4要素（圧縮機，凝縮器，膨張弁，蒸発器）から構成された冷媒回路ではない．もちろん4要素のみから構成された冷媒回路における制御においても，表1のような高効率化技術が実現されてきている．圧縮機では，たとえばツインロータリー圧縮機の可変シリンダ機構による容量制御技術がある．モータ·インバータなど駆動系の制御技術には，ターボ冷凍機のインバータ制御やスクリューチラーのエコノマイザーサイクルによる液インジェクション制御，DCモータ·IPMモータ·SPMモータ·ISPMや位置センサレス制御がある．CO{sub}2冷媒サイクルでは動力回収用エジェクタや2段型スイング式膨張機があり，送風機ではDCインバータファン制御がある．これらのサイクル要素機器に関わる制御の高効率化技術は，海外·国内という世界戦略からみて，非常に重要こな技術展開である．一方，本節で扱うサイクル·制御の改良による高効率技術の最近の動向として次の2テーマを紹介する．その一つはコンビニパックと呼ばれている冷凍·冷蔵·空調一体システムである．これはCVS（コンビニエンスストアー）対応に開発されたものであり，冷凍·冷蔵負荷と空調負荷が24時間365日存在するCVSにマッチするソリューションビジネスツールとしての開発例である．もう一つの例が大型食品スーパーマーケット向けライブメイトエコシステムである．こちらは異温度帯のショーケース群をIT技術を活用して統合管理制御した開発例である．