中小企業金融公庫レポートより－「わが国自動車部品製造業の現状と今後の方向性」

摘要

わが国自動車部品製造業を取り巻く状況2000年以降の日系自動車メーカーにおける四輪車（以下，日本車という）の国内販売台数の推移をみると，乗用車保有台数が上限に近づきつつあること，所得環境が低迷·悪化していること，車両過剰感等によりトラック·バスの取得·買い替え需要が低調なことなどから，低迷が続いている。 他方，日本車に対する海外需要は，車両性能や低燃費に対する高評価，車種の多様化，販売網等の拡充などを背景に，北米·アジア·欧州を中心に旺盛で，輸出が順調に増加するとともに，現地生産化の進展と相俟って海外生産が大幅に増加している。 こうした日本車に対する需要の変化に伴い，日本車の生産については，「国内：伸び悩み，海外：急拡大」が顕在化している。 国内自動車部品関連メーカーにおいては，国内のみならず海外における競争力を維持·向上させるためのコストダウンや技術革新をこれまで以上に推進する必要があると考えられる。