解凍技術と鮮度保持について

摘要

わが国の食料自給率は約40％と低く，多くの食品を海外からの輸入に依存している。 それは外食産業においても同様であり，特に畜肉·水産製品はそのほとんどを輸入品で賄っているのが現状である。 現在では輸入される畜肉·水産製品は飼育から流通までシステム化されており，その多くが鮮度と品質を保つ為解体後に冷凍されているが，解凍後の食味·食感を維持するための冷凍技術の進歩は目覚しく，適切に解凍することさえできれば，高品質な状態で使用できるようになってきている。 しかしながら各調理現場での解凍の状況は，冷凍技術の発達と同調しているとは言い難く，旧態依然の状態にあるといっても過言ではない。 業界各社においても，このように手付かずの状態であった「解凍」について改善の動きが始まっているが，要求を満足することのできる決定的な解凍方法·解凍装置が見つからぬまま現在に至っているというのが実情である。