大都市圏に立地する金型製造企業の技術的な競争（前編）

摘要

第5回のテーマは、「大都市圏に立地する金型製造企業の技術的な競争」である。これまでの回では、製造する型種に焦点を絞り、プレス用金型（第2回）、プラスチック用金型（第3回）、鍛造用金型（第4回）を製造する大手企業の技術的な競争がどのようなものなのかを検討してきた。そして、売上額上位企業の特徴や競争の構図の差異が型種別に存在することを明らかにした。さらに、おのおのの型種では本社所在地から見た地域的な兆候に違いが生じることを指摘した。そこで、第5回から第7回までは地域性に着目して分析を進めていくことにする。具体的に述べれば、第5回と第6回では前編と後編に分けて大都市圏（大阪府）に立地する金型製造企業における技術的な競争を検証する。それに対し、第7回では地方圏（愛媛県）に立地する金型製造企業の技術的な競争を解明することにする。