［開発ものがたり」【第15回 インクリメンタル成形で新規事業】組合せ加工で活路を開く

摘要

精密板金加工の平出精密（長野県岡谷市）は、金型を使わずに薄板金属を複雑な立体形状に成形するインクリメンタル成形に乗り出した。インクリメンタル成形は、1990年代に日本で考案された比較的新しい技術で、特定の工具を逐次的（インクリメンタル）に押し当てることによって成形する薄板成形法だ。簡易治具だけでつくる工法と、樹脂型（下型）を使用する工法の2通りがあり、金型使用の加工法に比べてコストが1／10～1／4に抑えられ、工期も短縮できる。量産加工の受注競争が激しくなる中、同社では試作開発向けの新技術として、医療機器、家電メーカーなどに売り込み、競争力強化につなげる考えだ。