3次元モデルシミュレーションによる機械衝突防止システムの開発

摘要

現在、NC旋盤をはじめとした工作機械の複合化が進んでおり、その加工領域での動作が複雑になってきている。そのため、人為的なミスによる機械衝突の可能性は、これまで以上に高まっている。また、機械の高速化も進んでおり、衝突時のダメージが増大しているため、一度機械を衝突させてしまうと、その修理に従来以上に長い時間と多くの費用がかかってしまう。したがって、段取り作業においては、衝突を避けるためにより慎重に機械を動作させる傾向が強まり、作業時間が長くなってしまうことが多い。そこで当社では、加工前の段取り操作における機械の衝突を回避することにより段取り時間を短縮すること、また不意に機械を衝突させてしまうことによるダウンタイムをなくすことを目的として、3次元モデルシミュレーションによる機械衝突防止システムを開発した。以下に、本システムの概要、衝突シミュレーションの処理の高速化方法について、そして今後の展望について述べる。