自己免疫性膵炎に併発しIgG4関連疾患の検討を要した肥厚性硬膜炎の1例

摘要

肥厚性硬膜炎（hypertrophic pachymeningitis）は， 脳脊髄硬膜に線維性肥厚を来す慢性炎症性疾患であり，感染（結核，真菌など）や自己免疫性疾患（Wegener肉芽腫症，関節リウマチなど）によつて生じる二次性のものと，原因が明らかでない特発性のものに分けられる.頻度は不明であるが, 近年CTやMRI検査の増加により発見され，報告例が多くなっている.症状としては頭痛が最も多く，硬膜肥厚の部位により脳神経麻痺，小脳失調などの神経症状も呈する。