パルス電圧駆動による燐光有機EL素子の応答特性と色度可変型白色素子への応用

摘要

青色燐光材料bis[(4,6-difuluorophenyl)-pyridinato-N,C{sup}2'](picolinate iridium (III) [FIrpic]と，赤色燐光材料tris(1-phenylisoquinoline) iridium (III) [Ir(piq){sub}3]の二種類の燐光材料を用いて，青色，赤色白色発光有機EL素子をそれぞれ作製し，その評価を行った．白色有機EL素子のDC駆動時における最大発光輝度は1400cd/m{sup}2，最大効率は7.5cd/Aを得た．また，それぞれの材料のパルス電圧駆動時における応答特性の違いを利用し，色度可変型の白色有機EL素子の作製の可能性を検討した．パルス電圧駆動においてパルスパラメータを変化させていって測定を行った結果，CIE色度図における座標の変化は(x,y)=(0.35, 0.40)から(x,y)=(0.45,0.39)となった．これは，青色材料と赤色材料のパルス電圧に対する応答特性の違いによるものだとわかった．このことから，材料の応答特性の違いを利用した色度可変型白色有機EL素子への応用が示唆された．