薄膜センサによる滑り軸受の油膜圧力分布計測の研究

摘要

本報告で述べる圧力測定法は，1931年のBridgemanのCu-Mn-Ni合金の圧力に呼応する電気抵抗の変化であるピエゾ抵抗効果を利用したもので，従来2円筒の接触圧力や歯車歯面，カムなどのGPaオーダーにも及ぶ弾性流体潤滑の研究に使用されてきた．我々は，この技術をエンジンの滑り軸受のようなMPaオーダーの圧力測定に応用するために，部品の変形や温度による圧力計測誤差を独自の方法で低減し，これを可能とした．ここでは，主にエンジンの滑り軸受用薄膜圧力センサの形状やその構造について述べ，ディーゼルエンジンによる主軸受及びクランクピン軸受の油膜圧力分布測定の結果について述べる．