ジチエニルエテン-ポルフィリン-フラーレン三連分子におけル光電子移動の光スイッチング

摘要

光合成反応中心のモデル化によりポルフィリン発色団を電子供与体や電子受容体と組み合わせた分子の研究が進んでいるが、光電子移動のスイッテンダができれば有用性が期待できる。このような光スイッチング機構にはフォトクロミック分子を使うことが一つのアプローチの仕方である。 このような目的から、フォトクロミック部位としてジチエニルエテン（DTE）を持っ、DTE－ポルフィリン（P)-フラーレン（C_（60））三連化合物1を合成した。 DTEは紫外光照射で閉環しDTEc構造に変化する。またDTEcは可視光照射で開環し無色のDTEoを生成する。 モデル化合物として2や3も合成した。 2の2-メチルテトラヒドロフラン中での吸収スペクトルは、ポルフィリンのQ-バンドが560-650nm、Soretバンドが417nmに吸収を示す。紫外光（～360nm）の光照射でDTEc-Pを生成する。 その吸収スペクトルは600nmにポルフィリンのピークと重なって吸収を示す。 梢暪猓ā?00nm）照射で開環体（DTEo-P）に戻る。DTEo-Pは典型的なポルフィリンの蛍光を示すが、DTEc-Pの蛍光スペクトルには強く消光を受けたポルフィリンの蛍光が見える。 DTEo-~1Pの寿命は10.5nsであり、紫外光照射後の2の650nmの蛍光の減衰は、DTEc-Pによる時間定数~3ps（90％）とDTEo-Pによる10.4ns（9％）の二つの成分からなる。